私は以前、暗号資産(仮想通貨)の自動売買ボットを自作していたとき、Bybit(バイビット)のオーダーブックL2(板情報レベル2:指値注文の price × size まで含めた詳細データ)の遅延に何度も苦しめられました。最初は無料で使えるTardis(タルディス)という historical data 配信サービスを使っていたのですが、ある日「もう少し低い遅延が欲しい」と思い立ち、AWS(エーダブリューエス:アマゾンのクラウド)上で自前のWebSocket(ウェブソケット:常時接続でリアルタイム配信を受ける通信方式)サーバーを立てて replay を試みました。ところが、結果は予想外――「安いと思って建てた自前環境が、Tardis の月額サブスクより高くなった」というオチでした。本記事では、その実測値と、API 初心者でも今日から再現できる手順をすべて公開します。
1. そもそも L2 data replay とは何か?
L2 data とは、取引所が出している「板の中の各 price レベルに対して、どれだけの size(数量)が並んでいるか」という粒度の細かいデータのことです。これを replay(再生)するというのは、過去のティック(価格変動の最小単位)情報を、リアルタイムと同じ速度で疑似的に受け取り直すことを指します。バックテスト(過去のデータでの戦略検証)では必須の作業で、これがないと「実運用で本当に指値が約定するか」が分かりません。
スクリーンショット的なイメージとしては、以下のようになります:
[Bybit 本番サーバー] ── 生データ ──> [Tardis or 自前WSサーバー]
│
└─ replay 配信 ──> [あなたのbot]
2. 今回比較する 2 つの方法
- Tardis … 暗号資産向けの historical data + replay 配信 SaaS(サース:クラウド型サービス)。従量課金と月額サブスクがある。
- 自前 WebSocket … クラウド(今回は AWS の t3.medium)で Bybit 本番サーバーに直接接続し、自前で replay サーバーを立てる方法。
3. 事前準備:すべて無料 or 少額で始められる
API 経験ゼロの方向けに、必要なもの一覧をまとめます。
| 項目 | 推奨サービス | 費用感 |
|---|---|---|
| Python 実行環境 | ローカル PC(Windows / Mac) | 0 円 |
| クラウドサーバー | AWS EC2 t3.medium | 約 $30 / 月 |
| Tardis サブスク | Tardis.dev Standard プラン | $49 / 月 |
| AI によるコード補助 | HolySheep AI(今すぐ登録) | 登録で無料クレジット付与 |
| データ分析 | Jupyter Notebook | 0 円 |
HolySheep AI は、中国発の高品質LLM(大規模言語モデル)API を集約した日本語対応プラットフォームです。公式の ¥7.3=$1 レートに対し、¥1=$1 という為替レートを提供しており、約 85% のコスト削減になります。支払い方法は WeChat Pay(ウィーチャットペイ)と Alipay(アリペイ)に対応し、レート1ドル=150円換算時の2026年 output 価格(100万トークンあたり)は GPT-4.1 が $8、Claude Sonnet 4.5 が $15、Gemini 2.5 Flash が $2.50、DeepSeek V3.2 が $0.42 です。応答遅延は 50ms 未満を公式に保証しており、API 初心者がコード生成サポートを受けるのに十分な性能を持っています。
4. ステップ 1:Tardis の replay を 5 分で始める
ターミナル(黒いコマンド入力画面)を開いて、以下の順で進めます。スクリーンショットで言うと「黒い背景に白い文字が流れる画面」を想像してください。
4-1. アカウント作成
Tardis の公式サイト(tardis.dev)で Sign Up します。画面の右上にある「Sign Up」ボタンを押すと、メールアドレスとパスワードの入力フォームが出ます。
4-2. API キーの取得
ログイン後、左メニューの「API Keys」を開き、「Generate New Key」をクリックすると、ランダムな文字列が表示されます。スクリーンショット:「abcd.efgh1234...」のような長い文字列。これをメモ帳にコピーしておきます。
4-3. Python クライアントのインストール
ターミナルで以下を入力します(黒い画面に pip install tardis-client と打って Enter)。
pip install tardis-client websockets pandas
4-4. サンプルコードで動作確認
メモ帳を開き、以下のコードを貼り付けて tardis_replay.py という名前で保存します。
import asyncio
from tardis_client import TardisClient
=== 設定エリア:自分のキーと日付に変更 ===
TARDIS_API_KEY = "YOUR_TARDIS_KEY_HERE"
SYMBOL = "BTCUSDT" # バイビットの BTC/USDT 無期限
EXCHANGE = "bybit"
DATE = "2025-10-15" # 過去日付(この日の L2 を replay)
async def main():
client = TardisClient(api_key=TARDIS_API_KEY)
# 5 分だけ replay して最初の 3 件を表示
count = 0
async for msg in client.replay(
exchange=EXCHANGE,
from_date=DATE,
symbols=[SYMBOL],
data_types=["incremental_l2"],
):
print(msg) # ターミナルに流れるログが見えるはず
count += 1
if count >= 3:
break
asyncio.run(main())