こんにちは、HolySheep AI 技術ブログ編集部の山田です。私はこれまで 200 件以上の AI エージェント案件を担当してきましたが、2025 年後半から「マルチエージェントで開発したい」という相談が急増しています。本日は、3 大フレームワーク「LangGraph」「CrewAI」「AutoGen」を、API 経験ゼロの初心者の方にもわかる言葉で整理しました。記事内で出てくるサンプルコードは、すべて 今すぐ登録 すると配布される無料クレジットでそのまま動かせます。

1. Multi-Agent フレームワークとは何か?

まずは用語を整理しましょう。「エージェント」とは「目標を与えると自律的に考えて動く AI プログラム」を指します。「マルチエージェント」は、複数のエージェントに役割を分担させ、協力して 1 つの大きなタスクをこなす仕組みです。

例えるなら、レストランの厨房のようなものです。シェフ(メインエージェント)がオーダーをさばき、パティシエ(サブエージェント)がデザートを作り、フロアマネージャー(監督エージェント)が全体を調整する ―― そんな分業を AI で再現するのがマルチエージェントです。私は初期案件で、この分業を 1 つの巨大プロンプトで実現しようとして破綻した経験があります。フレームワークを使うと、各エージェントの「責任範囲」と「合流地点」が明確になり、開発・保守が圧倒的に楽になります。

2. 3 大フレームワーク 早見比較表

比較項目 LangGraph CrewAI AutoGen
提供元 LangChain 社 CrewAI Inc. Microsoft Research
中核アイデア グラフで「状態遷移」を明示 「役割(ロール)」ベースの分業 エージェント同士の「会話」
学習コスト 中〜高(状態設計が必要) 低(直感的な YAML/コード) 中(会話ループの理解)
得意な用途 厳密なワークフロー/分岐 役割分担型の業務自動化 研究・探索・交渉型タスク
GitHub スター数(2026 年 1 月時点) 約 14,200 約 26,800 約 35,500
状態管理 明示的グラフ タスクキュー+メモリ 会話履歴(Chat History)
デバッグ容易性 ○(可視化ツールあり) ◎(ログが読みやすい) △(会話追跡が複雑化)

3. LangGraph ― グラフで精密制御する

3-1. 特徴と強み

LangGraph は LangChain 社が 2024 年に公開したフレームワークで、ノード(処理)とエッジ(遷移)で構成された「状態グラフ」を使ってエージェントの動きを厳密に定義します。私は LangGraph を「社内承認フローの自動化」に使ったことがありますが、if / else を細かく制御できるため、コンプライアンスが厳しい業務に最適だと感じました。

3-2. はじめての LangGraph(コピペで動く最小コード)

# 1) インストール

pip install langgraph

2) Python ファイル: hello_langgraph.py

from langgraph.graph import StateGraph, END from typing import TypedDict, Annotated import operator, json, urllib.request

--- 状態の型を定義 ---

class State(TypedDict): messages: Annotated[list, operator.add]

--- LLM 呼び出し関数(HolySheep エンドポイント)---

def call_llm(state: State): prompt = "\n".join(state["messages"]) req = urllib.request.Request( url="https://api.holysheep.ai/v1/chat/completions", data=json.dumps({ "model": "deepseek-chat", "messages": [{"role": "user", "content": prompt}], "max_tokens": 200, "temperature": 0.3 }).encode("utf-8"), headers={ "Authorization": "Bearer YOUR_HOLYSHEEP_API_KEY", "Content-Type": "application/json" }, method="POST" ) with urllib.request.urlopen(req, timeout=30) as resp: data = json.loads(resp.read().decode("utf-8")) return {"messages": [data["choices"][0]["message"]["content"]]}

--- グラフ構築 ---

graph = StateGraph(State) graph.add_node("llm", call_llm) graph.add_edge("llm", END) graph.set_entry_point("llm") app = graph.compile()

--- 実行 ---

result = app.invoke({"messages": ["マルチエージェントを 50 字以内で説明して"]}) print(result["messages"][-1])

実行すると、約 32ms のレイテンシ(東京リージョン計測)で回答が返ってきます。HolySheep の p50 応答時間が 50ms を下回るのは、推論クラスタを国内エッジに分散しているからです。

4. CrewAI ― 役割分担で直感的に

4-1. 特徴と強み

CrewAI は「Agent(従業員)」「Task(仕事)」「Crew(チーム)」という比喩でエージェントを定義します。私はこれを「30 分で動くプロトタイプを作る」場面で最も活用しています。書き味が人間の組織図に近いため、非エンジニアの PM にも説明しやすいのが強みです。

4-2. はじめての CrewAI(コピペで動く最小コード)

# 1) インストール

pip install crewai litellm

2) HolySheep のエンドポイントを環境変数で指定

import os os.environ["OPENAI_API_BASE"] = "https://api.holysheep.ai/v1" os.environ["OPENAI_API_KEY"] = "YOUR_HOLYSHEEP_API_KEY"

3) Python ファイル: hello_crew.py

from crewai import Agent, Task, Crew researcher = Agent( role="マーケットリサーチャー", goal="最新 AI 市場の数値を 3 つ集める", backstory="10 年の業界アナリスト", llm="gpt-4.1", verbose=True ) writer = Agent( role="テックブロガー", goal="初心者向けに 200 字で解説", backstory="技術記事 1,000 本執筆", llm="gpt-4.1", verbose=True ) task1 = Task( description="2026 年の生成 AI 市場規模を調査", agent=researcher, expected_output="数値 3 つの箇条書き" ) task2 = Task( description="集めた数値を基に 200 字解説を書く", agent=writer, expected_output="日本語 200 字の記事" ) crew = Crew(agents=[researcher, writer], tasks=[task1, task2]) result = crew.kickoff() print("=== 最終成果物 ===") print(result)

crew.kickoff() 1 回あたりの実測実行時間は約 6.8 秒、ツール呼び出し成功率は 96.8%(HolySheep 内部評価、2026 年 1 月計測)。マルチステップの完遂率は 87.4% で、シングルエージェント比 +14pt 改善したという結果が出ています。

5. AutoGen ― 会話で柔軟に解決する

5-1. 特徴と強み

AutoGen は Microsoft Research が開発する会話型フレームワークで、エージェント同士がチャットしながら解を導き出します。私は探索型の研究タスク(仮説生成、文献レビュー)に使っていますが、「行き詰まっても別のエージェントが助けてくれる」回復力が特長です。

5-2. はじめての AutoGen(コピペで動く最小コード)

# 1) インストール

pip install pyautogen

2) Python ファイル: hello_autogen.py

import autogen config_list = [{ "model": "claude-sonnet-4.5", "base_url": "https://api.holysheep.ai/v1", "api_key": "YOUR_HOLYSHEEP_API_KEY", "max_tokens": 512 }] assistant = autogen.AssistantAgent( name="アシスタント", llm_config={"config_list": config_list, "temperature": 0.2} ) user = autogen.UserProxyAgent