本稿は、東京・大手町に拠点を置く暗号資産クォンツトレーディング企業「株式会社Tokyo Quant Labs」が、HolySheep AIの正規化板情報WebSocketへ移行し、再接続(リコネクト)とリプレイによるフォルトトレランスを自社実装で組み込んだ事例の完全記録です。業務背景から、移行後30日の実測値、現場で遭遇した4件の代表的エラーと解決策まで、コード付きで詳述します。

1. 業務背景 — 5取引所を横断する裁定ボット群

Tokyo Quant Labsは、3体のマーケットメイクボットと2体の統計的裁定ボットを24時間365日稼働させています。1秒あたり約12,400件のL2板更新イベントを処理し、Binance、Coinbase、Kraken、Bitfinex、OKXの5取引所の板情報をノーマライズした形で内部に集約しています。旧来は5本のネイティブWebSocketをそのまま並列に貼り、各社のシーケンス番号体系(UDS方式、U