暗号資産の Perpetual Futures(無期限先物)市場では、Funding Rate(資金調達率)と Mark Price(マーク価格)が相互に作用し合って市場効率を維持しています。tick レベルのデータを用いてこの連動性を検証する戦略を、私の実務経験を交えながら解説します。
HolySheep vs 公式API vs 他リレーサービス:違いを一目で比較
まず、tick 級バックテストの分析フェーズで AI を活用する際に重要となる、各 LLM API プロバイダーの特徴を比較します。
| 項目 | HolySheep | 公式 OpenAI / Anthropic | 他リレーサービス |
|---|---|---|---|
| 為替レート | ¥1 = $1(公式比 85% 節約) | 約 ¥7.3 = $1(公定レート) | ¥6.5〜¥7.2 = $1 |
| 決済手段 | WeChat Pay・Alipay・クレジットカード | クレジットカードのみ | クレジットカード・暗号資産 |
| 平均レイテンシ | <50ms(東京エッジ) | 200〜400ms(米国リージョン) | 100〜300ms |
| 登録時無料クレジット | あり(即時付与) | なし(一部 $5 期限付き) | サービスによる |
| 主要モデル | GPT-4.1 / Claude Sonnet 4.5 / Gemini 2.5 Flash / DeepSeek V3.2 | OpenAI / Anthropic のみ | 主要 3〜5 モデル |
| 本土からのアクセス | 補助なしで安定接続 | 接続不安定 | 一部のみ対応 |
私は複数のリレーサービスを併用してきましたが、tick 級バックテストでは数千回〜数万回の API 呼び出しが発生するため、為替レートの影響が損益に直結します。今すぐ登録で付与される無料クレジットは、最初の検証サイクルを回すのに十分な額でした。
Funding Rate と Mark Price の基礎
Perpetual Futures では、原資産価格(Index Price)と乖離しないよう Mark Price が設計されています。Funding Rate は通常 8 時間ごとに発生し、以下の式で決定されます。
# Funding Rate と Mark Price の基本関係
import numpy as np
def calculate_funding_impact(mark_price, index_price, position_size, funding_rate):
"""
mark_price と index_price の乖離幅と、
funding_rate がポートフォリオに与える影響を計算
"""
basis = mark_price - index_price # ベーシス(乖離幅)
basis_pct = basis / index_price # ベーシス率
# Funding Payment(資金調達支払い額)
# ロング側:funding_rate > 0 なら支払い、< 0 なら受け取り
payment = position_size * mark_price * funding_rate
return {
'basis': basis,
'basis_pct': basis_pct,
'payment': payment
}
サンプル:BTC 60,000 USDT 環境で検証
sample = calculate_funding_impact(
mark_price=60_120.5,
index_price=60_000.0,
position_size=1.0, # 1 BTC 相当
funding_rate=0.0001 # 0.01%
)
print(sample)
{'basis': 120.5, 'basis_pct': 0.002008..., 'payment': 6.012...}
ベーシスが大きくプラスで Funding Rate もプラスなら、Mark Price は Index Price より高い「割高」状態であり、Funding 支払いを通じてショート側に有利な圧力がかかります。逆にベーシスがマイナスで Funding Rate もマイナスなら、ロング側が Funding を受け取る有利な構造です。
戦略ロジックの設計
私は2024年から tick 級バックテストを本格化させてきましたが、最初に直面したのは「ローソク足単位では Funding Rate の効果を正しく評価できない」という問題でした。Funding は 8 時間間隔で発生しますが、Mark Price の乖離は秒単位で変動するため、ローソク足単位では必ず情報損失が生じます。
そこで本戦略では以下のシグナルを定義します。
- シグナル A(ショート):basis_pct > 0.15% かつ funding_rate > 0.0001
- シグナル B(ロング)