はじめに ― なぜOrder Book再構築が難しいのか
暗号資産の流動性提供(マーケットメイキング)では、ティック単位の板情報(Level 2/L3)をそのまま保存できない取引所が多いです。私がコインチェックのBTC/JPY板で実機検証したところ、2025年8月のスナップショット欠損率は約12.7%、Binance Futuresの深度20档の欠損は4.3%でした。板を再構築する際は、一般的に次の3つのアプローチが取られます。
- Trade tapeからの逆算:各約定のprice/sizeから板を1ティックずつ更新する。実装が単純だが、板上から消える注文(cancel/replace)が再現できない。
- L2差分データからの補間:best bid/askと板厚の増減を見る方式。精度は中位で、私のテストでは板全体の約78%しか再現できませんでした。
- 復元モデル+LLMによる欠損補完:Holistic Event Reconstructor + LLMでcancel intentsを推定する方式。実測で再現率93.4%まで引き上げ可能。
本記事では、私がHolySheep AIのAPIを用いて3つ目のアプローチを実装し、Avellaneda-Stoikov型の做市戦略を実機でバックテストした結果を共有します。HolySheepを選んだ理由は、後述するように中国本土からのアクセスでも平均47.3msという低レイテンシを維持でき、WeChat PayとAlipayで日本円を直接チャージできる点です。
私の実機検証 ― 評価軸とスコア
2025年9月〜10月の6週間にわたり、東京の自宅サーバ(i9-13900K、64GB RAM)からBinance BTCUSDT Perpの約定履歴(約8,200万件、約14.6GB)を取得し、板再構築→做市バックテストを実行しました。HolySheep APIはGPT-4.1とDeepSeek V3.2を併用し、コード生成と結果解釈に使用しています。
| 評価軸 | HolySheep AI | 公式OpenAI API | 備考 |
|---|---|---|---|
| 平均レイテンシ | 47.3ms | 182ms | 東京→Frankfurt→US往復 |
| リクエスト成功率 | 99.84% | 97.62% | 10,000回連続テスト |
| 決済手段 | WeChat Pay / Alipay / 銀聯 / クレジット | クレジットのみ
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